政策評価と EBPM をどう連動させるか? -基本的な考え方と実践例-
内容メモ
1. はじめに
何をしたらよいのかわからないといった意見や、既存の政策評価に屋上屋を架すようなものだと理解されることも多い
本稿は以下を述べるもの
政策評価とどのように連動させるべきなのか、実践例を交えながらの私論 どこに結節点があり、どのように連動させれば行政の改善につながるのかを議論
2. エビデンスとは何か? なぜ重要なのか?
EBPM におけるエビデンスとは、「政策の因果効果 (政策によって生み出された真の効果) を表すもの」 のこと より広義には、「政策課題の現状把握のための情報 (ファクトや分析結果)」 を含むものもエビデンスと呼ばれる エビデンスを活用することで費用対効果の高い政策を選ぶことができる 3. 政策の因果効果をどう明らかにするか
エビデンスを明らかにすることは難しいが、解決策もある
効果検証方法の 2 つのアプローチ
4. EBPM は今までの政策立案と何が違うのか?
EBPM はその時点で最も信頼できるエビデンスを最大限活用して政策的な意思決定を行うこと
エビデンス至上主義ではない点に留意が必要
5. 政策評価制度の概要と EBPM の結節点
政策評価と EBPM の目的は重なる部分が多い : どちらもよりよい政策立案を行うためのもの 政策評価の目的 : 各府省が、自らその政策の効果を把握・分析し、評価を行うことにより、次の企画立案や実施に役立てる
PDCA という政策のマネジメント・サイクルの働きとして考えることできる
つまり、PDCAのマネジメント・サイクルを回していく中で分析評価を行い、次に向けてよりよい政策立案を行うための道具
EBPM の目的 : 現時点で利用可能な最良のエビデンス(best available evidence)を活用し、また必要に応じてエビデンスを明らかにすること、つまり効果を検証することを通じて、政策的な意思決定に活用すること
政策評価に EBPM 的要素を組み込むためには、立案・執行段階から評価を見据えた準備を行うことが不可欠
実務的には何をすればよいか
1. 実施を検討している政策の立案段階でエビデンスをできるだけ収集する
2. 効果は不確かだが、明らかにしたい政策について、事前にモデル事業等による効果検証を行う
3. アウトカムを測定し測定可能性を検討する
データがない以上効果検証は難しく、可能な限りそれを測定できないかどうかを検討する必要
4. 政策を受けていない人 (対照群) を設定してデータを収集する
対照群のデータが収集できないということは非常に多く、その場合は効果検証が難しい
効果検証しやすくするための条件を作り出すこと